cd:ディレクトリを移動するLinuxコマンド
cd (change directory)コマンドとは
「cd」コマンドを使うと、ディレクトリを移動することができる。cdコマンドはLinuxを用いるうえで最も基本的なコマンドの一つに該当する。
ディレクトリの指定には、絶対パス(absolute path、フルパス)と相対パス(relative path)の異なる2つの方法がある。
書式
$ cd [オプション][ディレクトリ名]
ディレクトリの種類
ディレクトリはWindowsでいうフォルダに該当するものである。Linuxは階層構造を基本としており、ディレクトリを移動する作業が必要になる。ディレクトリの種類として、「ホームディレクトリ」、「カレントディレクトリ」ならびに「ルートディレクトリ」が重要で覚えておきたい。
ホームディレクトリ
コンピュータのストレージ(外部記憶装置)内に用意された、個々の利用者が自由に使えるディレクトリの事を「ホームディレクトリ」よ呼ぶ。一般的にはUNIX系OSでアカウントごとに割り当てられるファイルシステム上の領域を指す。通常、ユーザがログインした際のカレントディレクトリである。(例えば、/home/username)
カレントディレクトリ
現在、作業しているディレクトリの事を「カレントディレクトリ」と呼ぶ。コマンド「pwd」 (Positioning Working Directory)で、カレントディレクトリ(作業位置ディレクトリ)のフルパスを確認、出力する事ができる。
ルートディレクトリ
階層型ファイル構造における最上階層のディレクトリの事を「ルートディレクトリ」と呼ぶ。すべてのファイルやディレクトリはルートディレクトリを根(root)とした階層構造のディレクトリのいずれかに収納される。
cdコマンドのオプション
cdコマンドのオプションには以下のようなものがある。
-p | 指定したディレクトリがシンボリックリンクの場合、シンボリックリンク元へ移動する |
-l | 指定したディレクトリがシンボリックリンクの場合、シンボリックリンクに移動する |
使用例
直下のdirectory_name1へ移動する。
$ cd directory_name1
$ cd ./directory_name1
現在のディレクトリへ移動する
$ cd ./
現在のユーザーのホームディレクトリへ移動する。
$ cd
$ cd ~/
$ cd ~
ルートディレクトリへ移動する。
$ cd /
一つ上の階層(親ディレクトリ)へ移動する。
$ cd ..
二つ上の階層へ移動する。
$ cd ../..